増える女性市民マラソンランナーたち
数年前から「マラソンブーム」と言われていますが、今もその熱はまだまだ収まっていないようです。
もともとオリンピックや駅伝など、スポーツ観戦としてマラソンは大人気の競技でしたが、今は見ているだけでなく自分でも走りたいと思う市民ランナーは増え続けています。
特に注目なのが女性ランナーの増加で、有名芸能人やモデルの中にもジョギングやランニングを日常的に行っていることを公言したり、一般市民が参加可能なフルマラソン大会にエントリーして完走したという記録を持つ人もかなり大勢見られています。
マラソンブームの一番のきっかけとなったのは東京マラソンの開催であったとされていますが、東京マラソンは年々エントリー希望者が増え、今では参加をするためには高い抽選確率を潜り抜けなければいけないほどになってしまっています。
しかし実は女性にとってのマラソンはブームになる以前から多くのファンによって支えられてきた競技であり、過去には多くのドラマが生まれていました。
NHKの80年代に製作された番組の一つがそんな走る女性たちに密着したもので、当時はまだまだ珍しかったはずの女子マラソンでなぜそこまでして走るのかということをインタビューで追っています。
なぜ走るのか?という問いはジョギングやランニングを趣味にしない人からよくされる質問なのですが、実際に日常的に走っている人にとっても実はよくわからないということもあります。
極端に言えば「走りたいから」という理由がすべてなのです。
走るのは苦しい?楽しい?
走ることに対して苦手意識を持っている人は、長距離走は「ただつらいだけで全然おもしろくない」という風に思うことでしょう。
確かにいきなり長距離を走ろうとするとすぐに息が切れて呼吸ができなくなったり、汗がたくさんでて気分が悪くなってきてしまいます。
ですが最初のうちは苦しく感じる長距離走ですが、最初の苦しさを抜けると脳内からエンドカナビノイドという快楽物質が多く生成されるようになり幸福感を得られるようになってきます。
これがいわゆる「ランナーズハイ」の状態で、気持ちが軽くなりどこまでも走れるんじゃないかという精神状態になります。
とはいえこの「ランナーズハイ」は誰でもいつでもなれるものではなく、よく「走ってみたけどいつまでも苦しいままで全然おもしろくなかった」ということもよく聞きます。
それはまず長距離を走るための体がまず出来上がっていなかったということと、もう一つ走ることを「いやだな」と思いながら走っていたからではないかと思います。
いきなり自分の体力に合わない強度なトレーニングはただ負担になるだけでそのあとの気持ちにも影響してきます。
まずはウォーキングや筋トレなどで基礎体力を作ってから少しずつ走る距離を伸ばしていくことで、自然に走るときの「気持ちよさ」を感じることができるようになります。
この「ランニングハイ」は一度経験するとくせになるもので、ある意味この感覚を味わうために何度も走りたくなるといってもいいくらいです。
ランニングハイの状態で走り終えたあとにはストレスもぐっと軽くなり、気持ちがすっきりと軽くなる感触があります。
これがランニングによるセラピー効果です。
学生時代に苦手だった人にこそおすすめ
今走ることが大嫌いだと思っている人の大半は、学生時代の体育の授業の成績がよくなかったり、運動に関して何らかのコンプレックスを持っている人ではないかと思います。
ですが現在女性市民ランナーとして日々走っている人の多くは「昔は自分が走るなんて考えたことがなかった」というようなまったくの運動素人です。
走るという運動は他のスポーツと違って多くの用具を必要とせず、また特に何かを教えてもらわなければできないというものではありません。
自分なりのペースで少しずつ走れるようにしていくということは、他人と競うこととは全く違う大きな喜びのあるものです。